ねんね期ってどんな時期?生後0〜1ヶ月の特徴とは
「ねんね期」っていつからいつまで?

ねんね期は、生後0〜1ヶ月頃の赤ちゃんのことを指します。この時期は基本的に寝ている時間がほとんどで、1日の大半を眠って過ごします。まだ外の世界に慣れていない赤ちゃんにとっては、睡眠が発達のためにとても重要です。
赤ちゃんはどんな1日を過ごすの?
授乳、排泄、睡眠。この3つの繰り返しが基本です。起きている時間はとても短く、授乳のタイミングでほんの数分だけ目を開けていたり、手足をバタバタさせたりします。
この時期ならではの育児の悩みとは?
・「泣いてばかりだけど大丈夫?」 ・「あまり反応がないように見えるけど…」 ・「他の子と比べて成長が遅れてるのでは?」
そんな不安を抱えるママ・パパがとても多い時期。ですが、まずはこの時期の赤ちゃんの“発達の目安”を知ることが安心への第一歩になります。
発達を見る6つの視点とは?
作業療法士が伝えたい!発達のチェックポイント
発達を見守るためには、以下の6つの視点を持つと分かりやすくなります。
- からだのうごき(粗大運動)
- おててのうごき(巧緻運動)
- みるチカラ(視覚)
- きくチカラ(聴覚)
- さわってかんじる(触覚・感覚)
- こころのうごき(情緒・社会性)
見ると安心できる「観察のコツ」
難しく考えず、「昨日と比べて変化があるかな?」を意識するだけでOKです。「ちょっと長く目を開けてた」「音に反応した気がする」そんな小さなサインが成長の証です。
発達を見るときに気をつけたいこと
他の赤ちゃんと比べすぎないことがとても大切です。発達には個人差がありますし、早い遅いが「良い悪い」ではありません。ママ・パパが安心して見守れる環境こそが、赤ちゃんの成長には一番です。
【視点別】ねんね期の赤ちゃんの発達サイン
①からだのうごき(粗大運動)
・手足を反射的にバタバタ動かす
・仰向けで頭が左右に動く
・首や体はまだ筋肉がなくグラグラ
この時期は「動けない」ように見えて、これらは「身体を使って環境に反応し始めている」証拠です。まだ意図的な動きではありませんが、脳と筋肉の連携が始まっています。
②おててのうごき(巧緻運動)
・手をグーにしていることが多い
・反射で手をぎゅっと握る
・指しゃぶりのようなしぐさが見られることも
「自分の身体に興味を持ち始めている」サインです。自分の手を見つける兆しはこの時期から始まります。握りっぱなしだった手が少し開くのも成長のサインです。
③みるチカラ(視覚)
・まだぼんやりとしか見えない、20~30㎝の距離が見やすい
・光を感じると反応する
・顔を近づけると一瞬じっと見ることがある
・コントラストが強いもの(白黒)を好む
この時期のは、「見る」→「分かる」→「興味が湧く」というステップの“はじめの一歩”。たくさん話しかけながら、顔を見せてあげることが、愛着形成にもつながります。
④きくチカラ(聴覚)
・大きな音にビクッとする(モロー反射)
・ママやパパの声に少し反応するように感じる
・声のする方向を向こうとする
・一定のリズム(心拍音、胎内音)で落ち着くことがある
耳は生まれたときからある程度機能しています。特にお腹の中で聞き慣れていた音には安心する傾向があります。この時期にたくさん声をかけてもらえる経験は、安心感だけでなく、言葉や感情の発達にもつながります。
⑤さわってかんじる(触覚・感覚)
・抱っこやおくるみで安心する
・おむつが濡れるなど敏感不快な気持ちは泣いて伝える
・ガーゼなど柔らかい素材を好む傾向がある
・ゆらゆらの感覚はお腹の中を思い出して安心する
触覚は感情の安定に関わる大事な感覚です。スキンシップを通して、赤ちゃんとの信頼関係がゆっくりと築かれていきます。この時期は「ふれる」=「愛されている感覚」としてとても大切なんです。
⑥こころのうごき(情緒・社会性)
・お腹がすいた、不快などで泣き分けをする
・顔を見て安心した表情になる
・抱っこされて安心する
・寝ながら笑っているような顔をする
ねんね期でも「心の動き」は少しずつ芽生えています。ママやパパの存在が、赤ちゃんにとって安心の土台になります。「泣いてもいいよ」「大丈夫だよ」って気持ちでそばにいてあげるだけで、赤ちゃんの「こころ」は着実に育っています。
この時期の遊び方のポイント
ねんね期でも遊べる?意外とできること
「まだ遊ぶなんて早いよね…?」と思われがちですが、ねんね期でもできる“遊び”はたくさんあります。大切なのは「刺激」と「関わり」。難しいことをする必要はなく、赤ちゃんとのふれあいがすべて遊びになります。
赤ちゃんが楽しめるおすすめの関わり方
「見る・聞く・感じる・つながる」すべてが遊びに!
・顔を近づけて優しく話しかける
・お腹や手足を軽くタッチしてふれあい
・抱っこをしながらゆらゆらタイム
・音の鳴るおもちゃで一緒に遊ぼう
シンプルな関わりでも、赤ちゃんにとっては新しい世界との出会いです。「楽しいね〜」「気持ちいいね〜」と声を添えることで、赤ちゃんとの“会話”も始まります。
赤ちゃんの成長を楽しむためにパパ・ママができること
「できた!」を見逃さない工夫
・毎日の様子をメモやスマホで記録
・写真や動画で「この頃こうだったね」と振り返れる
・夫婦で「今日こんなことしてたよ!」と共有する
育児は一瞬一瞬が成長の連続です。小さな変化に気づけると、不安よりも「感動」が増えていきます。
家族で共有すると育児がもっと楽しくなる
「ママだけが育児に詳しい」「パパは何をすればいいか分からない」ではなく、家族で赤ちゃんの発達を知っておくことで、喜びも不安も分かち合えます。とくにパパが“発達”に関心を持つと、育児のチーム感がぐっと深まりますよ。
不安と上手に付き合うヒント
・「○○しなきゃ」より「うちの子に合ってるか」で考える
・SNSとの距離感を大切にする(他の子と比べすぎない)
・心配なことは信頼できる人や専門家に相談する
完璧じゃなくても大丈夫。パパ・ママの「見てるよ」「大丈夫だよ」という気持ちは、赤ちゃんにちゃんと伝わっています。
まとめ
ねんね期(新生児期)の赤ちゃんは、まだまだ小さくても確実に「感じて」「成長して」います。
6つの視点からやさしく見守ることで、赤ちゃんの成長のサインを見つけやすくなり、不安も和らぎます。得意不得意があっても大丈夫知っているだけで赤ちゃんは安心です。
パパ・ママ自身も、無理なく笑顔で過ごせることが何より大切。赤ちゃんとの毎日が「大変」から「発見」になるように、この時期の発達を一緒に楽しんでいきましょう。